【令和3年6月定例会 代表質問 2.人口減少対策について】
目次
【令和3年6月定例会 代表質問】
6月17日に令和3年大月市議会6月定例会の代表質問・一般質問が行われ、代表質問を行いました。
今回は、「新型コロナウイルス感染症ワクチン接種について」、「人口減少対策について」、「交通弱者への対応について」、「小規模水道・未普及地域について」大項目4問の質問を行いました。
4項目の質問をそれぞれ、質問内容、答弁に分け掲載していきます。
以下、質問項目です。
質問1.人口減少対策について
Q1.「人口動態、少子化の状況は」
今直面している新型コロナウイルス感染症対策に取り組みながらも、中長期を見据えた本市の未来を作る取組も推進していかなければなりません。
そこで、人口減少対策について質問を進めてまいります。人口減少には、歯止めのかからない状況と認識しており、より明確なビジョンを持って今後を見据えた政策が必要であり、具体的な政策立案には現状認識とウィズコロナ、アフターコロナの中での国の動向、人々のニーズなどを迅速かつ的確につかみ、対応していくことが必要であると考えます。
そこで、大月市の人口動態、少子化の状況について、平成30年度から令和2年度の3か年の人口動態の状況、出生数、合計特殊出生率を示していただいた上で、類似団体や他市の状況も踏まえ、人口減少の要因について現在市としてどのように分析し、どのように捉えているのか、伺います。
Q2.「移住、定住のニーズ、課題は」
次に、移住、定住のニーズ、課題について伺います。移住について、本市にどのような相談が寄せられているのか、本市への移住にどのような物件や環境が求められ、また移住、定住にどのような課題があるのか、伺います。
Q3.「ニーズや課題を踏まえた今後の施策は」
次に、今後の施策について伺います。当然のことながら、人口減少、少子化対策においては、結婚、妊娠、出産、子育て、教育、仕事や働き方、住まいなどライフステージに応じた支援が必要でありますし、移住、定住促進にも共通する部分が多くなりますが、1問目、2問目の本市における現状認識、分析、ニーズや課題を踏まえ、人口減少対策として少子化、移住、定住にそれぞれ今後どのような施策を実施していくのが有効と考えているのか、市の見解を伺います。
【答弁】
A1.「転出超過の状況が若干改善、他市に比べて出生率が低く、死亡率が高い。」
人口減少対策についてのうち、初めに大月市の人口動態、少子化の状況についてお答えします。
本市の人口推移は、平成30年4月1日が2万4640人、平成31年4月1日が2万4022人、令和2年4月1日が2万3516人となっております。
次に、本市の出生数の推移は、平成30年度84人、令和元年度68人、令和2年度73人となっております。
次に、合計特殊出生率の推移は、平成30年度0.98人、令和元年度0.82人、令和2年度0.97人となっております。
山梨県常住人口調査による本市、都留市、上野原市、富士吉田市の人口動態ですが、令和2年度前年度比較による増減率では、本市はマイナス2.4%、都留市マイナス1.2%、上野原市マイナス1.7%、富士吉田市マイナス1.0%となっております。
このように、本市の減少率は調査結果から、社会増減では転出超過の状況が若干改善されたものの、就職を理由とした県外への転出者数は依然として多い状況であります。
自然増減では、他市に比べて出生率が低く、死亡率が高い状況となっており、出生率が低い要因には晩婚化や就職を機に若年層が東京圏に転出していることなども影響していると考えております。
また、人口ビジョンの目標値と比較しても、同様に社会増減はおおむね計画どおりの推移となっておりますが、自然増減は目標値を下回った結果となっております。
A2.「自然豊かな環境を求めているが、賃貸希望者が多く、物件所有者との齟齬が生じている。」
次に、移住、定住のニーズ、課題についてであります。
移住、定住のニーズでありますが、コロナ禍ということもあり、東京都や近県の都市部の方々より自然豊かな環境を求めているなどの相談内容が多くなっております。
物件についてのニーズもありますが、二拠点居住用として週末のみの田舎暮らしを楽しむためのセカンドハウスや、古民家や畑つきの住居に興味を示す方々が多くなっております。
移住、定住の課題ですが、移住希望者はまずは空き家物件の賃貸を希望し、将来的に購入したいという方が多く、一方空き家物件の所有者は賃貸ではなく、売却を希望する方が大半であるため、移住者と物件所有者とでそごが生じていることが挙げられます。
また、移住希望者の家族構成などにより、求められる土地の広さや家の大きさ、購入価格や交通条件など様々なニーズに応えられる空き家物件がないことも課題であると感じております。
A3.「子育て世代に住み良い環境と企業誘致に努めていく」
次に、今後の施策についてであります。先ほどの答弁内容のとおり、人口減少における本市の抱える大きな課題の一つは出生数であると認識していることから、これまで母子手帳アプリや妊婦オンライン相談などの導入に努めてまいりました。
今後も引き続き、妊婦の皆様に安心して出産していただく体制を整備していきたいと考えております。また、子育て支援として、現在幼稚園、保育園の再編を行っており、本年度は猿橋駅前に令和にこにこ園が開設されました。今後は、市内の東部、西部地区の整備も進めてまいりたいと考えております。住居環境においては、駒橋地区に定住促進住宅の整備などを計画しており、子育て世代に住みよい環境を整えてまいりたいと考えております。
次に、コロナ禍においてニーズが高まっている地方移住に対応するため、グリーンワーケーション事業を全庁体制で取り組み、本市が所有する学校跡地や民間が所有する空き事務所などを活用し、アウトドアやワーケーションなどに興味を示す企業の誘致に努めてまいりたいと考えております。
今後も引き続き人口動態や移住、定住ニーズ、課題などを踏まえ、現在取り組んでいる総合戦略の効果検証を行いながら、時代に即した人口減少、地域活性化に取り組んでまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
【棚本の意見】
【人口移動の状況はコロナ禍以前の水準に戻りつつある。移住ニーズはあるが総体的には増えていない。効果的な施策を。】
まず、移住に関してなのですけれども、今回の質問に当たって、東京、そして東京圏の人口の移動の状況や都道府県間、県内での移動状況、そして大月市における人口移動の状況、そして全ての要因など、また移住ニーズなど様々なデータを調べてみました。
社会増減についてなのですけれども、社会増減は改善が見られるとの答弁でしたが、では昨年はどうだったかということについて少し述べさせていただきたいと思います。
昨年の4月、5月、大月市から県外への転出は令和元年度に比べ大きく減っています。
これは、緊急事態宣言の影響です。特に5月は県内への転出も大きく減っています。
そのときの東京圏の人口移動状況と一致します。
しかし、11月、12月になると、逆に県外への転出は多くなり、今年の3月はというと県外の転出は昨年、一昨年と同様程度の転出が起きていっています。
しかし、県内への転出は減っているという状況です。1年間通してみて、では転入はというと、県外からの転入も大きく減っています。つまり入ってくる方も減っていますが、コロナの状況で県外への転出も若干減少し、そして県内の転出が減った。
移住ニーズは高まっておりますけれども、決して県外からの移住が総体的に増えているわけではありません。むしろ減ってしまっており、転入も転出もどちらも減少したから下げどまっているが、出ていく人の状況は3月、4月と、もう以前の水準に戻りつつあるというのが現状だと思っています。今後の動向を注視しながら、効果的な施策を考えていくことが必要と考えています。
【再質問】
Q.【分析し、ターゲットを絞り、認知を図っていくべき】
そして、移住に関してどのような施策を打ち出していくにしても、移住に対して関心を持っている方に大月市が認知され、興味を持ってもらい、相談や関係などつながりが生まれ、そして移住先の候補となり、自治体の支援策を調べていくという形で進んでいくのが現実であり、段階的にアプローチをしていく必要があり、まずもって本市が認知されないことには始まらないと考えます。
認知してもらうための施策を考えるにしても、しっかりとした分析を行った上で、具体的なターゲット層を決め、対象層を明確にし、取り組んでいく必要があると考えます。
具体的には、どこの圏域の人たちなのか、どういった年齢層なのか、どういった仕事をしているのか、未婚なのか、既婚なのかなど、人生の転機ごとに人物像や対象層を設定した上で認知を図っていくべきではないかと考えます。
そこで、再質問いたします。移住促進策としてさらに分析を行い、具体的なターゲットを絞り、人生の転機ごとに人物像を設定した上で認知を図っていくべきと考えますが、市の考えを伺います。
【答弁】
A.【更なる分析を行い、多様なニーズに的確かつ効果的な対策を今後講じてまいりたい】
移住促進において、移住者が何を求めているのかというニーズを常に把握し、このニーズにどう応えていくのかが重要であると認識しております。
移住希望者のニーズは、年代や家族構成、また趣味などにより多種多様であります。
このようなことから、さらなる分析を行う必要があると考えており、先月から複業人材としてお願いしたマーケティングアドバイザーのご提案などもいただきながら、多様なニーズに的確かつ効果的な対策を今後講じてまいりたいと考えております。
【棚本の意見】
【民間人材に市のポジションを明確に伝え、職員との知恵の掛け合わせを】
答弁いただきました。マーケティングの観点からの話になりましたが、令和元年9月、当選して一番最初の質問で、誰にどんな形をどのように提供するのか、市のポジションを明確にし、ターゲットをしっかりと絞る。マーケティング戦略にのっとって専門分野にたけた民間人材の登用と行政のプロをしっかりと掛け合わせて、マーケティング戦略の立案を行い、推進すべきだと提案をしました。
この点に関しては、小林市長が考え方を理解していただき、新たな取組を進めていただいたと思っております。
ここで大事なのは、アドバイザーに対して、移住促進のためにターゲットはこのように絞りたいのだ、ここを売っていきたいから調べてほしいのだという、何に対してのマーケティングを行うかを明確に伝えた上で、本市の行政課題を熟知している職員の方々と民間の方の知恵をしっかりと掛け合わせることだと思っております。さらなる分析を進めていただくようお願い申し上げます。
【再質問】
Q.【賃貸住宅として貸し出しを条件での補助や借り受ける側の改修に対して補助を実施する制度の導入は】
移住、定住の課題として、移住希望者はまずは空き家物件の賃貸を希望し、将来的に購入したいという方が多く、空き家物件の所有者は賃貸ではなく、売却を希望する方が大半であるため、移住者と物件所有者でそごが生じていることが挙げられるとの答弁でしたが、この点に再質問いたします。
このそごを解決していくための一つの手段として、戸建ての空き家の賃貸の流通を促すために賃貸住宅として貸し出すことを条件に、改修費用の一部補助を実施することや借り受ける側の改修に対して補助を実施することも考えられると思いますが、市の考えを伺います。
【答弁】
A.【効果的な助成制度について検討してまいりたい】
空き家バンク制度において賃貸物件の登録件数が少ないことは、移住、定住における課題の一つとなっております。物件所有者の多くが、賃貸物件において不具合等が生じた場合、所有者側に負担が生じるのではないかということから、賃貸ではなく、売却という選択をしております。
今後このような課題をどのように解決すればよいのか、ご提案いただきました改修費用の助成なども含め、賃貸物件の登録件数増加に向けて効果的な助成制度について検討してまいりたいと考えております。
【棚本の意見】
【ニーズに合わせた既存の制度の改善と官民連携での施策を。】
空き家改修に関しての補助制度については、賃貸物件のみならず、通常のリフォームの助成に関しても委員会でも意見を伝えてまいりましたが、ニーズに合わせて既存の制度を改善していくこと、これが必要と思っております。
また、空き家バンクが主点で語られることが多いかと思うのですけれども、空き家バンクだけにとらわれることなく、活用できる空き家を増やして、活用に対してさらに機運を高めていくような官民連携での施策も考えられるのではないかとも考えています。
リノベーションセミナーだったり、残地物の撤去にも希望する方に対して参加者を募り、片づけるプロジェクトなんていうこともあります。
ここは知恵の絞りようかなと思っておりますので、様々考えられると思いますので、今後もぜひ議論してまいりたいと思っております。
また、根本的な人口減少の原因である自然減、少子化については、政府においても政権の重要課題や、翌年度予算編成の方向性を示す方針、骨太の方針の原案の中に新たな成長の原動力の一つに子ども・子育て支援を位置づけ、安心して結婚、妊娠、出産、子育てができる環境整備に取り組むとし、少子化対策についても各施策を総点検し、KPIを定めて包括的な政策パッケージを年内に策定すると明記しており、こうした国の動向を注視しながら、本市の課題について改めて議論をしてまいりたいと考えております。
質問項目1.新型コロナウイルス感染症ワクチン接種について
※別ページにて詳細を掲載します。
質問項目4.小規模水道・未普及地域について
※別ページにて詳細を掲載します。