【令和4年3月定例会 代表質問3.ヤングケアラー について

【令和4年3月定例会 代表質問】

 

3月11日に令和4年大月市議会3月定例会の代表質問・一般質問が行われ、代表質問を行いました。

 

今回は、「令和4年度市政運営について」、「通学路の安全確保について」、「ヤングケアラーについて」、「健康増進の支援と健診の充実について」大項目4問の質問を行いました。

 

令和2年12月大月市議会12月定例会_代表質問_たなもと晃行

 

4項目の質問をそれぞれ、質問内容、答弁に分け掲載していきます。

以下、質問項目です。

 

 

質問3.ヤングケアラーについて

 

Q1.「実態調査結果の認識と今後の取り組みは」

 

ヤングケアラーは、一般に本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているような子供とされています。

昨年4月に公表された全国規模の実態調査では、中学校2年生17人に1人に当たる5.7%が世話をしている家族がいると回答し、このうち1日7時間以上ケアに従事する子供も11.6%に上ることが明らかになりました。

山梨県でも、県内小中高の児童生徒及び支援者を対象としたヤングケアラーの実態調査が行われ、支援する関係者の共通認識や連携支援を図るため、ヤングケアラー支援ガイドラインが策定されるなど、取組が進められています。

 

子供たちが、家族や家事のお世話をすることは、ともすると家族内の問題と捉えられ、果たして支援が必要なのかと考える人がいるかもしれません。

 

しかし、核家族化が進み、共働き世帯やひとり親世帯が増加するなど、家族の構成が大きく変わった現在において、家族の助け合いを前提とした考え方で、しわ寄せを子供が受けることになるおそれがあります。

家事や家族のお世話をすること、その頑張りや家族への愛情というのは非常に尊いことですが、その結果、学校に行けなかったり、友達と過ごす時間がなかったり、子供がその時期に経験すべき機会、そしてその先の未来を奪ってしまうような事態を招いてはならないと考えています。

正しく理解、認識し、子供が相談できるよう取組を進めていく必要性を強く感じています。

 

そこで伺います。本市では、教育現場において国、県の実態調査結果をどのよう認識し、今後どのように支援を行っていくのか伺います。本市の調査結果を踏まえてお答えください。

 

 

 

【答弁】

 

A1.「早期発見に努め関係機関と連携し支援を図っていく

 

昨年7月、山梨県が主体となり、県内の小学校6年生から中学生、高校生を対象として、ヤングケアラーの実態に関する調査が実施されました。本市におけるその結果を見ますと、家族の中に世話をしている人がいるかの設問に対し、世話をしている家族がいると回答したのは、小学校6年生で133人中1人、全体の0.8%、中学生では413人中26人で6.3%となっています。県全体では、小学生が55.8%、中学生が8.1%であり、本市は県の全体数値より低くなっています。

世話をしている家族について、本市においては小学生はきょうだいを、中学生ではきょうだいが11人、母親、祖母、祖父が各4人などとなっています。

また、世話をしている頻度は、中学生ではほぼ毎日が26.9%、週に1日から2日が23.1%などとなっています。

ご承知のとおり、大人が担うようなケア責任を引受け、家事や家族の世話などを日常的に行っている子供を指すヤングケアラーは、社会問題となっています。

子供たちが家事や家族の世話をすることは大変尊いことではありますが、それによって児童生徒の勉強する時間や遊ぶ時間がなくなってしまうことは、避けなければならないと思われます。

学校においては、第一にヤングケアラーの早期発見に努めることが重要であると考えております。

その上で、児童生徒に寄り添い、その状況を確認し、必要に応じて関係機関と連携し、支援をしていくものと考えます。

県が策定したヤングケアラー支援ガイドラインや、小学校・中学校・高等学校におけるヤングケアラーへの校内対応マニュアルなどを基本として、大月市子ども家庭総合支援センターなどの関係機関と連携し、支援を図っていきたいと考えますので、ご理解をお願いいたします。

 

 

【再質問】

 

Q.【世話の内容と頼れる方がいない子の状況は】

調査では世話の内容についての項目があると承知しておりますが、内容についてはどのような調査状況でしょうか。また、頼れる方がおらず、世話を自分のみで行っているという子はいるのでしょうか。

 

【答弁】

 

A.【自分のみで世話をしている子は現在いないものと判断している】

初めに、世話の内容についての調査結果でありますが、本市中学生では、食事の準備や掃除、洗濯などの家事が26%、見守りが22%、愚痴を聞いたり話し相手になるなどの感情面のサポートが14%などとなっています。

 

次に、頼れる方がおらず、世話を自分のみで行っている子はいるのかでありますが、調査において世話を一緒に行っている人を問う設問に対し、自分のみと答えた生徒が1人おりましたが、学校において確認したところ、調査の回答誤りであることが判明したため、市内においては自分のみ、1人で世話をしている子は現在いないものと判断しています。

 

【再質問】

 

Q.【変化に気付くために何をすべきか教育長の考えは】

 

先ほど答弁の中にありました世話をしている頻度は、中学生ではほぼ毎日が26.9%ということですので、全国調査でもあったように、1日7時間以上の子もいたわけです。

お手伝いの範疇なのか、その辺りの判断も含めて状況の把握が必要かとは思っています。

1人で世話をしている子は現在いないものと聞いて、安心したところではありますが、世話をしているのがたとえ1人でなくても、誰かに話せているのか、相談できているのか、理解してくれると思える相手がいるかということも大事だと思っています。

大変だなと思っていても、理解してくれると思える相手がいないと、なかなか相談はできないでしょうし、家庭のことですから相談したくないと思うのです。

ただ、家族が元気になってほしいとか、役に立ちたいなとか、そういった思いから子供たちのお世話ってスタートすることも多いと思います。

ですから、子供の思いを尊重して、子供本人の状況もしっかりと把握して、やっぱりどう思っているか、どうしたいと思っているのか、思いや希望を把握し取り組んでいただきたいと思っています。

そして、家族が病気を患ったりなど、様々な状況から支援が必要な状況へ変わるなど、状況は変化してくると思っています。

 

そこで、1点伺いたいのですが、いかにして気づいてあげることができるかが重要、先ほども早期発見という話がありましたが、今後例えばアンケートなどで定期的に調査を行っていくのか、どのようにしてその変化だったりに気づいていくために何をしていくのか、どういったことが適正であるか、教育長、考えがあったらお聞きしたいと思います。

 

【答弁】

 

A.【常に関心を持ち、働きかけていく】

 

今ご指摘のとおり、子供たちが様々抱えている問題について、思春期のちょうど時期でありますので、家庭環境のことをなかなか外へは出したくないとか、恥ずかしいとか、いろんな思いがある中で、やはり自分から言えない子たちが多いということは感じています。

 学校のほうに、常々ヤングケアラーの子の、全国的に問題になる以前からお願いをしていましたけれども、とにかく子供たちにまめに声をかけることと、それから県のガイドラインの中にアセスメントシートというのがありますから、ああいうものを基にしながら、表情の暗い子だとか、あるいは欠席の多い子だとか、あるいは保健室や何かに駆け込んでしまう子だとか、そういったものを小まめに見てもらうように、随時、随時確認していただくということをずっと確認をしてまいりました。

 中学校においては、週に1回程度生徒指導の会議をしていますので、そういったときにそういった子供たちの情報交換をしているということも聞いております。

 

大事なことは、教育委員会も学校と同じように、この問題についてはずっと関心を持ち続けて、学校に対して今の状況はどうかということを働きかけながら、さらにそういった子供たちがいないかどうかということのアンケートも含めて、学校のほうにも働きかけをしていきたいというふうに思っています。ずっと関心を持ち続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

【棚本の意見】

 

【真に寄り添った対応を】

 

例えば調査の中にも、家族の介護をしている、例えばその介護をしている方が自分のきょうだいだったり、入浴のお世話をしていたり、そういった状況もあるかと思います。

本当に尊いことだと思うのです。そこから見つかることもあるし、自分がしたいと思って、助けてあげたいなと思う気持ちというのは本当に大事にしていきたいのですけれども、それがどうしても子供だけがやっているような状況で、過度な負担になっていないのかどうか、そういったところを確認していくというのは、難しさも伴うと思っています。

ですので、一人一人に寄り添ったということが難しいのかもしれないですけれども、寄り添った対応で子供自身の思いとか気持ちをしっかりと尊重しながら、本人の未来を奪わないように取組を進めていっていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

また、昨年12月定例会のときに、子育て家庭の孤立、孤独を防ぐ取組の質問の中でも、家事、育児の支援に関しても触れました。これは、国の孤独、孤立対策、ヤングケアラーと重複する国の予算の中でも、家事、育児支援に関しては盛り込まれておりますので、ファミリーサポートセンターなどの事業もある中ですが、家事、育児支援なども今後は考えていく必要があるのかなと。

ただ、そのときにどうやって家庭に入っていくか、ヤングケアラーに関しては難しい部分というのもあるかもしれませんので、よく庁内でヤングケアラーの認識しっかりと持っていただいた上で、その上で取組を進めていっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

 

 


 

質問項目1.令和4年度市政運営について

※別ページにて詳細を掲載します。

令和4年度市政運営についてはこちら

 

 

質問項目2.通学路の安全確保について

※別ページにて詳細を掲載します。

通学路の安全確保についてはこちら

 

 

質問項目4.健康増進の支援と健診の充実について

※別ページにて詳細を掲載します。

健康増進の支援と健診の充実について